自動車を運転したり、メンテナンスをしたりすることは、かなり好きな作業でした。職業を決めるに当たっては、具体的に何かやりたいことがあったわけではなかったため、好きだった自動車に携わろうという考えが強くなりました。ドライバーとして働くことも検討していたのですが、メンテナンスの方が自分に合っていると思い、職業を決めました。
自分の自動車にメンテナンスを施す際は、特別なことを意識しなくても済むのですが、仕事として板金作業をやるようになると、1つ1つの作業を慎重にこなしていかなければなりません。地道に手作業を繰り返していく場面が多々ある中で、細かい作業をスピーディーに処理するスキルが得られました。また、必要な作業を見抜く目も養われました。
自動車に施す作業というのは、失敗してしまうと取り返しがつかなくなることが多々あります。そのため、仕事中は常に気が張り詰めているのですが、仕事を確実に終わらせることができた時の達成感は、何事にも変えることができない嬉しさ・喜びになります。所有者から感謝されることも度々あり、努力をして良かったという気持ちになれるのです。
金属を色々な形に変える工程に興味がありました。プレスで金属板を曲げたり伸ばしたりという作業をしたいと思いました。また建築物の屋根を作るなど板金はなくてはならない仕事なので魅力があります。我が家も築年数と共に屋根の劣化が進み雨漏りや板が剥けてきたときに板金屋さんに仕事を頼みました。その時、屋根に登って作業していることに憧れを持ち、そのでき上がりがまるで新築の屋根のような仕上がりで感動したことがきっかけです。
屋根の雨漏り修理ではどこから雨が漏れるのか水の流れが分かるようになりました。建築物の板金の仕事では屋根に上ることが多いので高いところが平気になりました。怖がることよりも仕事に集中することが身に付いたと思います。屋根だけではなく雨どいの修理も板金の仕事です。金属を変形させるための金属の特性を知ることができました。
でき上がった建物を見たときに一番やりがいを感じます。資料には自分の名前がでることはありませんが建物が存在している限り世の中に自分が手をかけた屋根があるので見るたび誇りに思います。また雨漏りを直したときに家の方に感謝していただけるのがやってて良かったなと思います。
板金のお仕事は、鉄板をものにあわせて加工する仕事です。自動車の傷や凹みなどを修理する板金工と、建物の屋根や外壁を担当する建築板金工の二種類があります。どちらもまったく関係がない業種なのですが、混同されやすいです。板金工なら車の知識、建設板金工なら建設の知識が必要になります。とはいえ決まった資格は必要ありません。そのため職人のように就職してから人の下につき技術を学んでいくパターンや、専門学校などに通いあらかじめ技術を身につけてからなるパターンがあります。
自動車の板金は、車によって凹みや傷の位置、大きさが変わってきます。車の種類もさまざまです。そのため、どこのどんなものにも金属板を加工し合わせられる技術が必要です。建築板金工は主に屋根や雨どいをあつかうことが多く、雨や風からきっちり家を守る仕事をしなくてはなりません。独立したいなら、技術力だけなく、営業力や経営力も必要となります。板金工ならお客様とうまくやり取りをして契約する能力が、建築板金工なら建設に関わっているほかの職人とやりとりをして仕事をすすめる能力が求められることもあります。